I Love Himeji Projectでは、新たな取り組みとして、姫路で活動している「人」にスポットを当てたインタビュー記事を掲載していくことにしました。

記事を通して、姫路の新たな一面を知るきっかけになったり、姫路を好きな人が少しでも増えることを願っています。

初回のインタビューは、今、日の出の勢いで活躍の幅を広げているHimegingerの商品開発担当・下津千修さん。姫路生姜がピリリと効いたジンジャーケーキで、姫路の新たな特産品を目指しています。

ジンジャーケーキ開発の経緯や、姫路に対する想いなどを中心に、お話を伺いました。

Himegingerとは?

2018年6月15日に発足した任意団体「姫路生姜研究所」が手掛けるブランド名。
また7月2日には、Himegingerカフェを姫路市飾磨区にオープン。
姫路生姜を使ったスイーツ、その他商品の企画販売を行うことで、昭和30年代前半には姫路市内の浜手で盛んに栽培されていた姫路生姜の復興を目指す。
活動を通して、姫路の歴史や文化と向き合い世代を超えて交流する中で、次世代へと続くまちづくりを実現する。ホームページはこちら。http://himeginger.net/

下津千修さん

Himegingerの商品開発担当者、兼Himegingerカフェ店長。
福崎町生まれ、姫路市飾磨区在住。夫、18歳の長男、17歳の長女の四人家族。
連合PTA理事、小中学校PTA副会長、校区子ども会書記を歴任し、地域活動にも積極的に参加。

偶然の一致が重なって生まれたジンジャーケーキ

金治:本日は、Himegingerの商品開発を担当する下津千修さんにお話を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。

まずは、Himegingerの看板商品であり、カフェでは必ずと言って良いほど注文されるジンジャーケーキがどのような経緯で誕生したのか、開発のきっかけを教えていただけますでしょうか。こだわりの材料を使ったジンジャーケーキですので、入念に計画を立ててスタートしたのですか。

下津:実は、ジンジャーケーキは「開発しよう!」と意気込んで作ったものではないんです。偶然の一致から、自然とご縁が繋がって生まれたケーキなんです。

金治:「自然とご縁が繋がって」とは、具体的にはどのような出来事が起こったのでしょうか。

下津:きっかけは、姫路市材木町にある町家KISEKIで今年3月に開催されたヨガイベントでした。友人達も一緒に参加する予定だったので、お茶菓子として皆様に食べていただければと、自宅でジンジャーケーキを焼いて行ったんです。

金治:なるほど~。ジンジャーケーキはその日に初めて焼かれたんですか。

下津:いえ、以前から友人達を招いて自宅でお茶会をしたりしていたので、初めてではありませんでした。せっかくヨガイベントに参加するので、ヨガの後にケーキがあればいいなぁと、心ばかりの差し入れのつもりでした

ヨガのテーマが「美と健康」だったので、なんとなく、「美と健康なら生姜よね」、と思って(笑)。深く考えたわけではなく、ふと思い浮かんだのがジンジャーケーキだったんです。

下津:ヨガの後、講師の先生や参加者のみなさんと一緒にケーキを食べていたら、「そういえば姫路って生姜が有名だよね」と生姜の話になって。姫路おでんも生姜醬油をつけて食べるし、姫路と生姜ってご縁があるよね~と。

そうして調べているうちに、姫路生姜というものがあることがわかって。正直これまで産地を気にして生姜を購入していなかったんですが、地元の農作物である姫路生姜に、なんだかとても魅力を感じました

金治:姫路生姜、地産地消の観点からも魅力的ですね。その後、どのように姫路生姜研究所(Himegingerを手掛ける任意団体)発足まで発展したんでしょうか。

下津:ヨガイベントにジンジャーケーキを差し入れしたとき、一口食べた八木有加さん(現在のHimegingerプロデューサー)が、「これや!」と叫んだんです(笑)。今思えば、あの一言がすべての始まりでした。ジンジャーケーキの原材料を仕入れている、白井ファームさん、五百城ニュートリイさん、田積養鶏場さんと次々にご縁をいただき、姫路生姜研究所発足まで急展開しました。本当に不思議なんですが、3月のヨガイベントから3ヶ月の間に、自然とご縁が繋がっていきましたね。町家KISEKIのプロデューサーとしても活躍している八木さんが繋げてくれたご縁でした。

“差し入れ”が三方良しのプロジェクトに

金治:“差し入れ”だったジンジャーケーキが、こだわりの原材料により “Himeginger”ブランドに変身したんですね。

下津:そうですね。その後何度も試作を重ね、現在のHimegingerのジンジャーケーキが完成しました。

すると、ちょうど完成が近づいたタイミングで6月15日が「生姜の日」だということがわかって。せっかくなら「生姜の日」に姫路生姜研究所を立ち上げたいね!と、スタッフ全員の意見が一致しました。ジンジャーケーキの販売により姫路生姜の復興に繋がれば、自分たちが住んでいるまちの活性化にも繋がりますよね。お客様も、私たちも、そして地域も元気になる、三方良しのプロジェクトだと思いました

金治:素敵なプロジェクトですね。ところで、Himegingerカフェは町家を活用されているんですよね。ジンジャーケーキ開発のきっかけも町家でしたが、カフェも町家にされたのには何か理由があるのでしょうか。

下津:私が、とっても町家好きなんですよ~(笑)。昔から古民家の雰囲気が大好きで、趣味で町家巡りをしていました。だから、カフェでお借りしている飾磨の町家に出合ったときは、運命を感じましたね。自宅の近くにこんなに素敵な町家があったなんて…!と、その日は大興奮でした(笑)。

それからはトントン拍子でカフェオープンの話が決まって。6月15日の姫路生姜研究所発足から7月2日のオープンまでの2週間で、スタッフ全員が結束して準備を進めました。

後編に続く